2002年6月2日(日)~8(土) ドイツ・オランダ海外視察研修

2002年6月2日 (日)~6月8日 (土)にわたり、18名の参加でドイツ・オランダ海外視察研修を実施しました。

ドイツでは、フランクフルト近郊にて最新のクラインガルテン事情、バイオダイナミクス農法を実践する農場(生態的動的農法協会)、デュッセルドルフ近郊の 病院にて精神疾患を持った患者への園芸療法実施状況の視察しました。オランダでは、ユトレヒトにて園芸療法を教える学校、アムステルダムでは第五回フロリ アード2002〈テーマー自然が織りなす芸術を感じよう〉の視察などを通し、現地の実践者からのレクチャーや情報交換・交流を行ってきました。

photo8団長として参加された東京農工大学大学院農学研究科塩谷哲夫氏から次のようなコメントが寄せられました。

参加者は多士済々、個性豊かな一八名であった。メンバーの所属や仕事は、住宅介護サービス、看護・介護指導者、障害児施設保育士、園芸種苗会社、花の総合 センター、自然調和農業のコンサルタント、園芸福祉の法人や生産組合、都市・農村の地域計画プランナー、大学農学部教員、県議会議員など、広範囲にわたっ ている。ほとんどが初顔合わせのメンバーであったが、和気あいあいと交流しながら、共通の目的を持った調査団として良くまとまって、実に熱心に調査に当 たった。調査団は、ヨーロッパの園芸福祉の先駆的な実践事例、実践者たちから多くのことを学ぶことができた。また、今回の調査は、個々の参加者にとって有 意義なものであっただけでなく、国際交流を通じての協会の活動の発展の契機を成すものとなった。ヨーロッパの実践者たちは、いずれも我々に対して今後の交 流の継続と、彼らを接点とする国際的なネットワークへの参加を呼びかけてくれた。それを受けて、協会を代表して近藤専務理事が日本側としても望むところで あると表明した。日本側の取り組みを発信することを通じてこそ、ヨーロッパからの情報をより広く受信できることになるだろう。

日本橋ロータリークラブとの協働活動

日本園芸福祉普及協会では、地域で実践するための様々な情報提供とあわせ、全国各地で展開が可能なモデル事業の調査研究や実践も進めています。そのひとつが、日本橋ロータリークラブとの協働活動です。

photo7協会事務局の所在地である中央区で活動をしている日本橋ロータリークラブの社会奉仕委員会から、従来は社会福祉施設に寄付をするだけの活動であったが、よ り地域に根ざした社会奉仕を展開したい、それも花や緑の活動を行っている市民団体と連携し活動を進めたいという要請を受けました。具体的な活動として、中 央区小伝馬町の十思デイルーム(廃校舎活用の区営施設)で日本橋ロータリークラブ・日本園芸福祉普及協会・デイルームスタッフおよび利用者の協働により、 同ルーム内の花壇整備と、その後の維持管理活動を始めることになりました。初級園芸福祉士が中心となりプログラムを作成、ロータリークラブのメンバーも参 加してのプロジェクトは、利用者から大変喜ばれ、終了後の懇談でも、懐かしかった、久しぶりに土に触った、気持ちよかったという声が聞かれ、約1時間の作 業でも疲れを見せず、開始以前より元気が出ているようでした。また、ロータリークラブ内部でも高い評価を得ているようです。

園芸福祉の活動をスタートするにあたっては、資金面や相手先の理解などクリアすべきハードルがいくつも出てきます。当事者ばかりでなく、こうした連携が実 現できれば、社会的な信頼を得ながら活動を進められるのではないでしょうか。デイ施設での実績をもとに、新たに中央区の協力も得て、区内の公園で地域住民 とロータリークラブメンバー、初級園芸福祉士による園芸福祉活動が始められます。

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